こんにちは! エマです。
今回はブックレビューです。
作品は道尾秀介『透明カメレオン』
(道尾さんの本は初めて読ませていただいてとても面白かったので、他の作品も読みたいと思いました……!)
ネタバレはないように書いていくので、ゆっくりお楽しみいただけましたら幸いです。
・率直な読後感想
普段は純文学系の小説を好むこともあってエンタメ系、特にミステリーはあまり読んでこなかった人生なんですが、もうめちゃくちゃ面白かった・・・!
作品の重要なテーマとなるのは”嘘”
ありとあらゆる箇所に”嘘”がちりばめられており、登場人物のみならず読者の私までもが見事に騙されました笑
コミカルに進むと思いきや心をがっつり揺さぶってくる描写もあり、とても満足感のある作品で余韻に浸ってしまっています。
・簡単なあらすじ
冴えない容姿だが綺麗な声だけは持ち合わせているラジオパーソナリティの桐畑恭太郎は、日々バー「if」に集まる仲間たちの話を面白おかしくラジオ番組で話して番組を盛り上げていた。そんなある日、バーにびしょ濡れの女・三梶恵がやってきたことから今までの日常は一転する。彼女に弱みを握られて、恭太郎たちはとある「殺害計画」に巻き込まれることになるが——?
・ブックレビュー:オススメ度 ★★★★★
嘘って、基本的にはいけないものだと思います。
だって小学校の先生だって「友だちにうそをつくのはいけませんよ」なんて教えてくるじゃないですか。
でも、この作品はそう思ってる私たちに投げかけてくるんです。
「それ本当?」「こんな嘘でもついたらだめだってまだ思う?」
——「ほんの小さな選択だったんだ。ほんの短い言葉だった」
それでも、世界は大きく変わってしまった。(本文中より抜粋)
そしてこの小説を通して私たちが考えなければいけないもうひとつのこと。
それが「自分が今選んだ選択は本当に正しかったといえるのか?」ということ。
ひとつひとつの選択によって変わってしまった今を認めるため、
言うなれば時間の不可逆性に対抗するために
”嘘”を使えとこの作者は言っているのです。
時間は巻き戻らない。一度選んでしまった選択はもう変えることができない。
大小はあれど誰にだって、もう一度やり直したい瞬間というものがあると思います。
”嘘”が救いになるんだというひとつのアンサーがとても新鮮で優しくて、ふっと心が軽くなったような気がしました。
過去は変えられなくても、今は変えられますもんね。(なんだか平野啓一郎さんのマチネの終わりに みたい?笑)
嘘について、過去について。
真剣に考えてみたくなったらこの本を手に取ってみると、少しだけ世界が変わるかもしれません。
読書って新しい視点を自分に取り込ませることができるから、とても素敵な趣味だなって思います。
これからも引き続きブックレビューを書いていきたいなと思っておりますので、ときたま覗きに来ていただけたら嬉しいです。
それでは今回はこの辺で!
またお会いしましょう!

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